2021 年の Super GT は、感染症対策を行いながら、開幕からほぼ平常通り開催されています。
2000 年に国内の自動車メーカーのフラッグシップモデルが全て生産中止となり 20 年。
昨年のシーズンから、トヨタ スープラ、ニッサン GT-R、そして ホンダ NSX の三者が Super GT にそろい踏み。
この 3 台が熱いバトルを繰り広げる姿を再び見ることができるとは、思ってもみませんでした。
世界的に脱炭素が叫ばれる中、ここだけは「車好き」が一番興奮する非日常を存分に楽しむことができます。
久しぶりに GT を観に行きましたが、やはり、あの爆音と匂い、迫力は唯一無二のものですね。
GT500 クラスを制したのは、11 番手からスタートを切った Astemo NSX-GT。
富士を得意とするスープラを抑えての優勝です。
開幕ではスープラ勢が上位独占状態でしたが、Astemo NSX-GT はそれに迫る 5 位。
今後も上位争いに絡んでくるかもしれません。
2 位は、ENEOS X PRIME GR Supra。
2020 年から GR スープラ(90 スープラの方が馴染み深いかな)をひっさげ GT500 クラスに参戦しています。
このチーム TGR TEAM ENEOS ROOKIE は、トヨタ自動車の豊田章男社長がチームオーナーです。
第 1 戦の岡山では優勝でしたので、今回もその強さを見せつけています。
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R は 5位。このチームは 2017 年までは GT300 クラスに参戦していましたが(B-MAX RACING TEAM)、2018 年からは NDDP RACING(日産の若手育成プログラム)とともに GT500 クラスに参戦しています。
今回のレースでは、上位は BS タイヤ装着車が独占しましたが、この車両は MI(ミシュラン)を装着。
GT-R 勢の中ではトップの成績を残しており、今後の巻き返しが期待されます。
レースの結果はそんな感じです。
思い返してみると、初めて GT を観戦したのは 1998 年のようです。(D/DEVILの活動記録)
当時はまだ「全日本GT選手権」という名称でした。
見返してみると、ミツビシとマツダの車は残念ながら今ではもう参戦していないのですね……。
世界的にガソリンエンジンが悪者にされている現状では、もはや参戦できるような車は作れないので淋しいかぎりです。
今後、化石燃料に対してますます逆風が吹き荒れる中、ガソリンエンジンオンリーでどこまでこのレースが開催されるか非常に気になるところです。
一般的には、今後の自動車は電動化の流れが加速すると言われています。
音が無く静かで、加速だけは良いですが、重いバッテリーで重くなった車両をモーターで強引に加速させる、という矛盾を感じた仕組み。充電時間は長く、インフラもまだまだ。しかも、製造の過程ではガソリンエンジン車よりも環境負荷は高い。
本当に電動自動車がカーボンニュートラルの解なのか、私個人的には疑問を感じます。
(電動化は手段であり、目的は脱炭素)
今回の富士の大会のあと、Super GT を運営する GTアソシエイションの坂東代表は、今後のモータースポーツの将来について語りました。
2027 年の GT500 車両規定導入の際に、大幅な環境対応を図ること。
そのキーとなるのは、eフューエルだと。
e フューエルとは、水を電気分解した H2(水素)と CO2(二酸化炭素)を合成した燃料のこと。水素は再生可能エネルギーを利用して生成されるため、e フューエルは脱炭素を実現するための手段となります。
トウモロコシを使ったバイオ燃料と異なり、食糧危機も引き起こさない。工業的に生成可能。
そしてなにより、今のガソリンエンジンでも使用可能ということです。
この技術は、ドイツ勢(アウディ、ポルシェ)が先行していますが、つい先日、トヨタがスーパー耐久富士 24 時間レースで、水素エンジン搭載の車両を出場させ、見事完走しました。
このニュース。あまり注目されていないかもしれませんが、私は動画をみて興奮しました。
ガソリンエンジンと変わらないのです。
環境への対応は大事です。
でも、静かで振動もなく自動運転で動く車は、何も面白くないです。
エンジン音を響かせ、車に命が通っているような、あの感覚を感じることができる魅力的な車を未来に遺していってほしいですね。