D/DEVIL 15 周年によせて

免許を取り、スポーツカーに憧れ、そして、スポーツカーでツーリングをする。その、ノリだけで始まったこの活動は、早いもので 15 年経過しました。チーム結成時に生まれた子供は、もう高校生になるわけです。もう少しで免許が取れる年齢ですね。
当たり前ではありますが、チームを取り巻く状況は初期の頃とは全く変わっています。それは、チームのメンバーだけではなく、車を取り巻く状況にも言えることです。
チームが結成された時からスポーツカーの不況はありましたが、現在では自動車自体、かつての盛り上がりがなくなってしまいました。スポーツカーに関しては、本当に絶滅してしまい、街で見かけるのはどれも
10 年以上昔の、かつて光り輝いていたスポーツカーたちばかりです。
でも、ちょっとくたびれたそれらのクルマを見てみると、どれもとても大事にされていて、大切に乗っているんだなぁと感じることがよくあります。
自動車をただの移動手段としてしか考えない人には理解できない世界が、ちゃんとそこにはあるのです。
産業としての自動車業界を見ると、特に日本の自動車業界ではあまり長く一つの車を乗ってもらわない方がいいのでしょう。しかし、その結果が今の自動車離れになってしまったのではないかと思ってなりません。
2012 年は、D/DEVIL 15周年の年でありますが、時を同じくして、TOYOTA から 86 が登場しました。
いろいろな意見はあるでしょうが、私は文化としてのスポーツカーを発信しようとしている TOYOTA に好意的な解釈をしています。商売として考えれば、たかだか月産目標1000台の自動車なんて無視してもいいセグメントに思えます。しかし、今回、長い沈黙の後に登場したスポーツカーは、ほんとうの意味での「ジャパニーズ・スポーツカー」なのだと思います。
私も車の魅力を今でも信じています。
そして、スポーツカーが好きでよかったと、同じ気持ちを持つ仲間と走るために、私もこの活動をやめないのです。

2012年 Mrトヨタ

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