D/DEVIL 20 周年によせて

1997 年に結成した D/DEVIL は、2017 年で 20 年を迎えます。

20 年という月日は、決して短いものではありません。
1997 年に生まれた子どもは、ちょうど 20 歳となり成人を迎えました。免許を取り、車に乗っていることでしょう。

結成当時にいたメンバーたちも、それぞれの道を歩んでいます。

自動車産業にとっての 20 年も、人間のそれにも負けないくらいダイナミックな変化が起きていると感じます。ハイブリッド車や電気自動車といったテクノロジーの進化、自動運転などの技術革新、事故を減らすための制御装置など。
そして、自動車と人の付き合い方そのものが、大きく変わろうとしている転換期にいるように思います。

私自身は、同じ車に 20 年間乗っていることもあり、時は止まっています。
フロントガラスに映る外の風景は 20 年経過しましたが、車の中は 20 年以上前の世界だし、車の性能・概念は 20 年前のまま、時が止まっています。

車の魅力とは、何なのでしょうか。

車とは、極論すると、移動手段とのひとつに過ぎません。
大部分の人々にとっては、それだけのものです。

しかし、これだけ世界にいろいろな人種や人々、考え方がいるなかで、なぜ車を好きになる人がいるのでしょう。

好きな人、好きな人たちと、好きな時間に、行きたい場所に行ける。場所を決めなくても、ただ流れる風景を眺めるだけでもいい。
道がある限り、自由があります。

車という閉ざされた空間が、世界で自分だけの空間になっているのです。その時々の自分と車。思いが記憶になり、人生となっていく。

人それぞれあるでしょうが、そういった部分もあるのかもしれません。

世界中の自動車メーカーは、人と車は、この先、どうなっていくのが一番幸せなんだろう、と色々な思いを巡らせているはずです。

もし仮に、世界中の車が自動運転になってしまったら。
私は車に魅力を感じることはなくなるかもしれません。

どうして自分は車が好きなんだろう?

漠然としていても、車に乗っている間に、それを感じられる間は、私は車の魅力を信じ続けるし、ずっと好きなままでいられるような気がします。

そんな思いを一緒に共有してくれる仲間がいる限り、いつまでも走り続ける D/DEVIL がそこにあるのだと思っています。

2017 年 Mrトヨタ

 

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